【1】レジリエンスとは?
「レジリエンス」とは、想定外の災難や逆境・強いストレスに見舞われた際、対処していく精神力やマインドセットです。また、苦境から回復するプロセスのことも意味します。
【2】レジリエンスの3段階
レジリエンスには、3つの段階があります。
また、各段階で有効なテクニックがあります。
(1)底打ち
絶望を克服し、ネガティブな意識・行動の連鎖からの脱却
「ラベリング」絶望・不安・恐怖等を紙に書きだす。不安や恐怖を対象化し、
それらに根拠がないこと、多寡が知れていること、対処可能なことを知る
(2)フロー
スポーツ・ダンス・音楽・趣味等に没頭する(フロー状態)。
ネガティブな意識等が出て来ず、冷静な思考や新しいチャレンジを可能にする。
(3)教訓化
逆境等を克服し、そこから教訓を得る。
それにより、おなじ困難に出遭っても容易に乗
り越えることができるようになる。
【3】リーダー観の変化 ~ カリスマ型からレジリエンス型へ
社会が求めるリーダーは、これまでのカリスマ型からレジリエンス型に変化しています。
レジリエンス型リーダーは、今日のような混沌状況や企業のインドネシア進出等の異文化圏でのチャレンジに強いからです。
失敗を恐れぬ勇気を持ち、部下やクライアントのメンタルにもケアしながら、新しい成功を実現する。それがレジリエンス型リーダーです。
レジリエンスは、ハーバードMBAや世界的大企業で一番重視されています。
【4】レジリエント・ロイヤリング
そして、企業がさまざまな危機に直面したときのコーポレート・レジリエンスにおいても、ダメージを最小限に留めるための速やか、かつ、的確な対策、すなわちレジリエント・ロイヤリングが求められています。
レジリエント・ロイヤリングは、情報収集・原因究明・クレーム対応・マスコミ対策・情報公開・適切な善後策により、偶発債務のミニマム化・信頼の回復・業績の維持・株価対策を可能にします。
いくら予防法務をつくしても想定外の事態は起こりうるので、コーポレート・レジリエンスすなわち、企業が危機から立ち直る対策が求められます。
久世浩司『リ―ダーのための「レジリエンス」入門』(2014・12、PHP)参照