2016年2月1日(月)
冲方丁(うぶかたとう)が『週刊プレイボーイ』に「冲方丁のこち留」を連載している。
同氏は、わたしも読んでいる『天地明察』で吉川英治文学新人賞を受賞した作家。
上記連載はDV逮捕された経験にもとづく独占手記。
本日発売の同誌2016年no.7で、警察署留置場での最大の拷問は「退屈」という文脈の中で
「そんななかで唯一の楽しみ(?)といえば、弁護士との接見です。弁護士だけは、曜日も時間も無関係にいつでも出入りできる立場なのですが、これは退屈極まる週末においては救世主のような存在でした。」(集英社『週刊プレイボーイ』(51巻5号87p.))
と書いている。
作家という知的な職業の氏にとって時計も見られない留置場生活は苦痛だったであろう。
退屈しのぎという物言いながら「救世主」といわれれば、弁護人もまんざらではなかろう。
余談ながら、私の被疑者・被告人が同房者から「いい弁護士についてもらってうらやましい。」とよく言われると言う。その理由は、早期に身柄釈放(勾留却下や保釈)や不起訴をとることもあるが、接見回数が多く、接見が楽しそうだからだと聞く。
監獄は文学史上重要なテーマの1つ。
刑事弁護の多い弁護士の1人として「こち留」をずっと読んでいる。