平成２９年（わ）第〇〇〇〇号 〇〇被告事件
被告人 〇 〇 〇 〇
鑑定請求書（見本）
平成２９年６月１日
大阪地方裁判所 御中
主任弁護人 吉 岡 稔 浩 印
頭書被告事件につき、裁判員法５０条に基づき、下記のとおり，鑑定を請求する。
記
第１ 鑑定を求める事項
１ 被告人の本件当時における精神状態。特に行動制御能力の程度。
２ 被告人の精神状態が本件に与えた影響の有無，影響の程度，及びその機序
３ その他これらに関連する事項
第２ 鑑定請求の理由
１ 本件は，かねて精神科に通院し治療を受けていた被告人が〇〇を契機としてその精神疾患を重篤化させ、本件行為に及んだという事案である。以下に述べる事情に照らせば，本件には、当時の被告人の精神状態が大きく影響していると考えられる。したがって、被告人の本件当時の責任能力の有無と程度を判断するためにも、精神鑑定が不可欠である。
しかし、本件では、起訴前鑑定が行われておらず、判断に必要な資料が欠けている。
早期に争点及び証拠を整理し，適切な審理計画を立てるためにも速やかに鑑定が採用されるべきである。
２ 本件について当時の被告人の精神状態が大きく影響していると考えられる事情を述べる。
（１）被告人は、本件の３年前からうつ病により精神科に通院し治療を受けていた。
（２）本件の約６か月前である平成２８年〇月〇日、〇〇という出来事があった。
（３）被告人は、かねて（１）の主治医に希死念慮を伝えていたが、（２）以降、主治医に強い希死念慮を訴えていた。
（４）被告人は、本件前後の記憶がない。
これらの事実に照らせば、本件当時、被告人が精神障害により責任無能力または限定責任能力の状態にあったと考えられる。
第３ 結語
以上より、本件において、適正な事実認定、法的評価を行うためには、精神鑑定を通じて本件当時の被告人の精神状態を明らかにすることが必要であり、責任能力の有無と程度及び重要な情状事実の判断にも欠かすことができない。
よって、裁判員法５０条に基づき、精神鑑定を請求する。
添付書類
１ 診断書 １通
２ 診療録抄本 １部
以上