平成29年2月14日(火)障害者刑事弁護 のつづき
1 福祉との関係
障害者の事件では、福祉の支援の手が差しのべられないこともあるし、障害者本人が支援の手を拒むこともある。
2 障害の認定・主張
さらに多いのは、障害があると思われる人がその認定を受けていないこと。これはじつに多い。
また、本人が障害の事実を主張したがらないことである。そういうケースでは、弁護人は本人の意思を尊重しつつ弁護活動しながらも、本人にとって最善の弁護をしているといえるか心もとない。
3 本人の意思の尊重はどこまでつらぬくべきか?
本人の意思の尊重はたてまえとして大切だけれども、パターナリスティック(父権的保護主義)な弁護活動が必要と思われることもしばしばである。
4 どのような福祉的保護が適切か?
だからといって、一般人同様、障害者も多様であるので、どのような処遇なり保護が必要かはいちがいには言えない。
5 弁護人との信頼関係
それ以前に、弁護人が障害のある被疑者・被告人と人間関係を持っていくのに通常の被疑者・被告人以上に苦労させられることが少なくない。
不起訴は、刑務所に行く危険が消えたというだけであり、これから社会内で更生していく出発点にすぎない。これからが大切である。
わたしは弁護人としての役割は終えたが、できる支援は続けていきたいと考えている。